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細胞レベルの影響 突然変異

こんにちは。今回は細胞レベルの影響の突然変異についてです。

まずは、中学校でもやったと思いますが、遺伝子とDNAについてです。

人間に限らず、個体は細胞によって構成されています。筋肉、骨、各臓器、血液や脳などすべて細胞から成り立っています。

この細胞の「核」に「染色体」があり、この染色体の中の「DNA」が「遺伝子」として働いています。

遺伝子とは、物質ではなく、情報です。遺伝子の情報は塩基配列によって決まります。

遺伝子は設計図のようなものです。遺伝子の情報に従ってタンパク質が作られます。タンパク質は細胞を作る材料でもありますし、体の中でいろいろな働きをしています。

染色体は人では22対の常染色体と男「XY」女「XX」の性染色体の46本から成っています。そして、人間の染色体はおよそ160億対で構成されています。

DNAの遺伝情報に異常が生じた場合のことを突然変異といいます。

体細胞に突然変異が生じた場合、被ばくした本人のがんになる可能性が高くなり、生殖細胞に突然変異が生じた場合、生殖細胞のがんと遺伝的影響の可能性が高くなります。

DNA損傷などにより遺伝情報が変化することを遺伝子突然変異といいます。

また、染色体構造に変化が生じ、その変化によって染色体上の遺伝子に変化が生じることを染色体突然変異といい、染色体側に着目したのを染色体異常といいます。

染色体突然変異は遺伝子側に着目したときの呼び方です。

個別に見ていきます。

遺伝子突然変異についてです。単に突然変異という場合は、遺伝子突然変異を指していることが多いです。

突然変異はDNAの塩基配列中の1個の塩基が他の塩基に置き換わったり、欠失したり、新しい塩基の挿入があります。

塩基が他の塩基に置き換わる塩基置換。他の塩基に置き換わることで、アミノ酸が変わるミスセンス変異、終止コドンとなりタンパク質合成が止まるナンセンス変異などがあります。

数個の塩基が欠失か挿入で、塩基配列のコドンがずれて元と全く関係ない塩基配列が出現するフレームシフトといい、元々のタンパク質を失うことになり重篤な結果をもたらします。

遺伝子突然変異の多くはDNAの1個の塩基が他の塩基に置き換わったり、欠失したりすることから、発生率は線量に比例します。

染色体異常は、DNA損傷(特に2本鎖切断)によって染色体が切断され、誤修復によって染色体異常が発生します。

DNAの異常は細胞分裂し、染色体として現れる細胞周期のM期のみで観察する事ができます。

染色体異常は染色体型異常と染色体分体型異常に分けられます。染色体型異常は、染色分体の同じ場所にそれぞれ切断があり、染色分体型異常は一方のみに切断がある状態です。

図で簡単に説明していきます。この図はマスターノート参照で作っています。

上の段は染色体型異常です。

DNA複製前のG1期に放射線照射され、損傷を受け、S期で損傷したまま複製され、その後G2を経ます。M期で染色体が観察できるようになり、見てみると、染色分体の同じ場所で切断された染色体型異常になります。

下の段は染色体分体型異常です。

DNAが複製された後のG2期に放射線照射され、損傷を受けると、染色分体の片方だけに切断がおこる染色体分体型異常になります。

S期に放射線照射が起こると、両者混在します。

染色体異常には何種か型があります。染色体の並び方で決まってます。

染色体異常には誘発された後長期にわたって観察される安定型染色体異常、早期に消失する不安定型染色体と分けられ、そこから何種かに分かれます。

安定型染色体異常は、欠失、転座、逆位、不安定型染色体異常は環状染色体、二動原体染色体といいます。

安定型異常は細胞分裂を経ても長期にわたり存在するため、発がんの原因になります。異色の細胞がすぐ消失せず、成長してがん細胞となると考えるといいかもしれません。

試験では型の形は聞かれていないので、これらの型の形は別でまた紹介したいと思います。

染色体異常は低線量から増加傾向なので、血液中のリンパ球の染色体異常を測定することで、被ばく線量を測定することができます。

以上で、細胞レベルの影響 突然変異は終わりです。たくさん言葉が出てきましたが、パターンとして覚えていくと確実に得点になるところです。

パターンについては問題演習で見ていきますので、復習しておきましょう。おつかれさまでした。

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