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中性子と物質の相互作用

中性子と物質の相互作用

こんにちは。今回は中性子と物質の相互作用についてです。

中性子は電荷を持たないので、荷電粒子とは異なりクーロン相互作用を受けません。そのため、相互作用も変わってきます。それでは、やっていきましょう。

まず、中性子は単独では不安定なので、半減期10分でβ-壊変します。

ここで、陽子は単独では不安定ではないのかと思った人いるんじゃないですか。

陽子は、特別な条件で陽子崩壊というものがありますが、試験的な知識の範囲では標準理論では安定に存在し、寿命は無限大であると言われています。

これは、自分の勝手な自分の想像なんですけど…

陽子は単独でも原子核を形成することができますよね。1H(水素)が陽子単独ですよね。中性子は単独で存在してても原子核は形成しないので不安定と考えるといいかもしれません。

話を戻します。

中性子はエネルギーによって核反応が異なります。そのためエネルギーによって、熱中性子、熱外中性子、速中性子などに分類されます。

そして、起こる反応がそれぞれ異なります。

次から反応を見ていきます。

中性子捕獲反応です。原子核に中性が捕獲され、多くの原子核ではこの励起状態からγ線を放出する反応で、質量数が「1」だけ増加した原子核になります。(n,γ)反応ともかかれます。

中性子は電荷をもっていないため、クーロン相互作用を受けません。そのため、低エネルギーでも原子核の内部に入り込む事ができます。そして、エネルギーの高い励起状態の原子核が生成され、多くの場合γ線を放出して安定になります。(α線放出もあります)

中性子の結合エネルギーはおよそ8MeVですので、中性子捕獲反応は発熱反応です。

中性子捕獲反応は、核種によっては核反応断面積の非常に大きな反応があり、遮蔽や検出器に利用されます。

熱中性子の遮蔽ではカドミウムが用いられます。反応式も覚えれたら覚えましょう。

検出器に利用される反応はこの3種類がよく用いられます。

この核反応も覚えましょう。

そして、近年ではホウ素中性子捕捉療法(BNCT)があります。核反応は10B(n,α)7Liです。中性子捕獲反応により放出される重荷電粒子(α線)を利用した中性子がん治療法であります。

次は弾性散乱です。

エネルギーが高くなると中性子は原子核に吸収されにくくなり、跳ね返るような反応が起こりやすくなります。

反応の前後で運動エネルギーの和が変化しない(保存される)散乱反応を「弾性散乱」といい、

反応の後、運動エネルギーの和が減少し、原子核の励起に使われる散乱反応を「非弾性散乱」といいます。

中性子が原子核と弾性散乱する場合を黒板に示しました。また、エネルギーの式も示しました。

この式も運動量保存則とエネルギー保存則より式変形してできます。自分でやってみましょう。

以上で中性子と物質の相互作用について終わります。お疲れ様でした。

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