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周期表と天然放射性核種

こんにちは。今回は、周期表 核種について見ていきます。

放射化学では様々な核種、同族元素など出てきます。まずは、周期表から同族元素等覚えていきましょう。

核種や同族元素に関しては、覚えてないと出題されても、太刀打ちが全くできないので、しっかり覚えましょう。

まずは、簡単な周期表を示します。中学高校の時にここまでの周期表を1回は覚えたのではないでしょうか。放射線主任者試験では、これよりも多く覚える必要があります。

周期表の縦の列のことを「族」といい、1族から18族まであります。同族の元素は化学的性質が似ています。

どういうことかというと、原子は軌道電子をもっていますね。軌道電子が原子と原子を結びつけるのに重要な働きをもっていましたね。中学、高校の化学でも習ったと思います。

原子の最外殻電子のことを価電子と言います。この価電子が化学結合などで重要な役割をもっています。

「最外殻電子の数」≒「価電子の数」といってもいいかもしれません。

化学的性質が似ているというのは、価電子の数が同じと言うことです。

同族元素の場合、一番外側の軌道電子の数が同じなのです。

そして、周期表の横の行のことを「周期」といいます。同じ周期の元素は、原子半径、イオン化エネルギーなどが似たような性質を持っています。

周期表より、最低限覚えるべきことを黒板に示します。

最低限ですので、他にもたくさん覚えられたら覚えてください。

次は天然放射性核種の話です。

地球はおよそ46億年前に誕生したと言われています。地球ができたときに、多くの放射性核種が存在していました。46年たった現在、長寿命の放射性核種は存在しています。なお、地球生成時に存在していた、129I(半減期1.6×10^7年)、237Np(2.1×10^6年)は、46億年たった今は存在していません。

天然に存在する放射性核種は3つのグループに分類されます。

1、壊変系列をつくるもの

2、壊変系列を作らず、単独で存在しているもの

3、宇宙線により、核反応で絶えずつくられるもの

まずは、一つ目の壊変系列を作るものです。系列ごとに見ていきましょう。

見ていく上で黒板にある事は全て重要ですので、壊変系列で出てくる核種までしっかり覚えましょう。

アクチニウム系列です。

235U(半減期7.04×10^8年)から始まり、223Ra、219Rnを経て7回のα壊変と、4回のβ-壊変をし、安定核種の207Pbになります。

壊変系列の核核種の質量数を4で割ると3余るので、4n+3系列ともよばれたりします。

ウラン系列です。

238U(半減期4.47×10^9年)から始まり、226Ra、222Rn、などを経て、安定核種の206Pbになります。

8回のα壊変と6回のβ-壊変を行います。

質量数を4で割ると2余るので、4n+2系列と言われています。

ウラン系列は様々な特徴をもった核種があります。例えば、226Raはキュリーが定義された核種ですし、226Raー222Rnの関係から年代測定の調査などが行われてたりします。

トリウム系列です。

232Th(半減期1.41×10^10年)から始まり224Ra、220Rnなどを経て安定核種の208Pbになります。

6回のα壊変と4回のβ-壊変をします。

質量数を4で割ると割り切れるので、4n系列といわれます。

ネプツニウム系列です。

237Np(半減期2.14×10^6年)から始まり、安定核種の205Tlで終わります。他の系列と違って最終壊変生物が鉛ではなくタリウムです。

8回のα壊変、4回のβー壊変をします。

質量数を4で割ると、1余るので4n+1系列と言われています。

ネプツニウム系列は地球生成時には存在していたが、現在では存在しておらず、消滅天然放射性核種の1つです。

次は、壊変系列を作らない天然放射性核種についてです。

核種の種類としては、40K、87Rb、113Cd、138Laなどいくつかあります。そして半減期は全体的に10^9~10^15年と非常に長いです。

その中でも試験でよく出題される40Kについて説明します。

半減期は12億年で、天然のカリウムに0.0117%の割合で含まれています。

カリウムは人体に必要なミネラル成分の1つで、成人の人体はおよそ120~200gのカリウムを含んでいます。そのため、人は自分の40Kより、放射線被ばくを受けています。

日本人の平均体重65.3kgより、約4000Bqの放射性カリウムを体内にもっていることになります。年間被ばくはおよそ0.2mSvです。

そして、40Kの分岐壊変より、40Kー40Arの存在量より年代測定ができます。数万年前から46億年前ぐらいまで測定できます。

次は誘導放射性核種です。宇宙線と核分裂です。

地球には絶えず高エネルギーの放射線(α線、陽子線)が降り注いでいます。それが、空気中の酸素、窒素、アルゴンなどの原子核と衝突することで、誘導放射性核種が生成されます。

高エネルギーの粒子が衝突することで、その原子核は破壊され、様々なエネルギーの放射線が発生されます。この反応のことを破砕反応といいます。

生成される核種は、3H、7Be、14C、22Na、32P、35S、などがあります。

核分裂によって誘導放射性核種を生成します。

そして、人工放射性元素です。原子番号43のTc、61番のPm、超ウラン元素です。

これで、今回の講義は終わりです。お疲れ様でした。

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